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わかりやすい免疫学の教科書【おすすめ3選】

わかりやすい免疫学の教科書【おすすめ3選】

わかりやすい免疫学の教科書が知りたい!

こんなお悩みにお答えします。

本記事の信頼性

本記事の信頼性

私はがんを専門に製薬会社で研究をしています。

がんと免疫には密接な関係があります。

というより、免疫学はライフサイエンスを研究する人にとって、避けては通れない領域です。

私はもともと免疫学が得意ではなかったので、内容を理解するのに苦労しました。

今回は色んな免疫学の本を読んできた私がおすすめする免疫学の教科書を3つご紹介します。

それではさっそく参りましょう。

わかりやすい免疫学の教科書【おすすめ3選】

わかりやすい免疫学の教科書【おすすめ3選】

私がおすすめする免疫学の教科書は次の3つです。

おすすめ3選

  • もっとよくわかる!免疫学
  • 免疫ペディア
  • サイトカイン・増殖因子キーワード事典

それでは一つずつ見ていきましょう。

もっとよくわかる!免疫学

もっとよくわかる!免疫学

まず一番おすすめなのは、河本宏さんが書かれている『もっとよくわかる!免疫学』です。

ぶっちゃけ、この本だけ読めばOKです。

河本宏さんは、理化学研究所で免疫・アレルギー科学分野のチームリーダーをなさっていたり、京都大学再生医科学研究所の教授をなさっていたりと、免疫学の権威です。

また、趣味で絵や漫画を書いておられます。

本書の中ではユニークな細胞のキャラが登場します。
これも河本先生がご自身で描かれているみたいです。
この絵がとてもわかりやすく、漫画感覚で読めます。

本書は『基本編』、『展開編』、『応用編』と分かれており、免疫学の初心者の方がゼロベースで免疫学を理解できるようになっています。

初心者向けの本ではありますが、すべてがストーリーとして緻密に構築されているため、最終的にはかなりレベルの高い内容も理解できるようになります。

いろんな本を読んできましたが、間違いなくナンバーワンです。
すべての教科書をこの本のように書いてくれたらどれだけありがたいかと思ってしまいます。

これから免疫学の勉強をするのであれば、どの本が良いかあれこれ悩むよりも、まずはこの一冊をおすすめします。

免疫ペディア

免疫ペディア

2つ目のおすすめは『免疫ペディア』です。

この本は、『もっとよくわかる!免疫学』に比べると結構細かい内容も載っています。

それでいて、図がキレイなのでわかりやすいです。

ただ、一点注意してほしいのは、この本から免疫学の勉強をスタートするのは危険ということです。

おそらく、この本から勉強すると、最後まで読みきれず挫折します。

この本はわかりやすいのですが、免疫学の全体感を掴むには分量が多いです。
また、免疫学の土台となる考え方が無い初学者だと、『結局何?』って感じになってしまうと思います。

なので、まずは『もっとよくわかる!免疫学』を読み、その後必要であれば読むぐらいの位置づけでOKです。

サイトカイン・増殖因子キーワード事典

サイトカイン・増殖因子キーワード事典

3つ目のおすすめは『サイトカイン・増殖因子キーワード事典』です。

この本は、免疫学という形に特化したわけではなく、様々なサイトカインや増殖因子の特徴が網羅的にわかる事典のような本です。

たとえば、インターロイキンって色んなものがありますが、それぞれの機能をパッとは答えられなかったりしますよね。

実際、インターロイキンについて言えば、IL-3やIL-17など、有名なものについてはある程度覚えておいてもいいですが、あまり暗記は重要ではありません。

論文とかを読んでいて、サイトカインや増殖因子が出てきたときに、都度調べればOKです。

そういうときに、本書があるとかなり便利です。

本書は様々なサイトカインや増殖因子について、発見された歴史・機能・ノックアウトマウスの表現型・ヒト疾患との関連が一気に調べられます。

GenBank IDや参考文献も載っているので、実際の研究を進めていく上でも便利です。

効果的な勉強方法

効果的な勉強方法

私がおすすめする効果的な勉強方法は、次の通りです。

効果的な勉強方法

  • 『もっとよくわかる!免疫学』を読む
  • 『免疫ペディア』は辞書代わりに使う
  • 『サイトカイン・増殖因子キーワード事典』は辞書代わりに使う

3冊紹介しましたが、一番のおすすめは『もっとよくわかる!免疫学』です。

免疫学を専門にしていない、私のようながん研究者であれば、『もっとよくわかる!免疫学』の内容をマスターしていれば十分です。
むしろ免疫学に詳しい部類に入ります。

なので、『もっとよくわかる!免疫学』を繰り返し読み込むのが最も効果的な学習方法だと言えます。

免疫学を学ぶ上で重要なのは、自然免疫と獲得免疫を理解し、それらがどう繋がっているかをイメージできることです。

まずは細かい因子の名前はどうでもいいので、概念的な部分を頭の中に描けることが重要です。

その他の2冊に関しては、より詳細な部分を勉強したい人や、これから免疫学を専門にしていこうと考えている人が読めばOKです。

私は残りの2冊については、自分のデスクに置いておき、辞書代わりに使っています。
ペディアや事典と名がついているぐらいですから、そういう位置づけでOKです。

まとめ:すべての病は免疫疾患

まとめ:すべての病は免疫疾患

すべてというと言いすぎかもしれませんが、割とほぼすべての疾患に免疫は絡んでいます。

たとえば、がんは免疫と深い関わりがあります。

がんが体に発生するのは、免疫細胞からの攻撃を逃避した結果です。

実際、抗PD-1抗体や抗CTLA-4抗体などの、がん免疫療法が臨床現場で目覚ましい成功を収めています。

その他にも、糖尿病は結果として免疫機能を低下させ、重症化につながることが示唆されています。

アルツハイマーなどの神経領域も、神経炎症という免疫との関連が最近話題になっています。

したがって、創薬研究をしていく上で、もはや免疫は避けられない分野になってきているとも言えます。

今回紹介した本を活用して、ぜひ免疫学の概念を理解してみてください。

今回は以上です。

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