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製薬会社研究職の就活対策【失敗しない研究概要の書き方】

製薬会社の研究員になりたい!具体的な対策を教えて。

こんな疑問にお答えします。

本記事の信頼性

本記事の信頼性

生物系や化学系の就職先として、製薬会社は特に人気が高いです。最近では情報系の学生も製薬会社へ就職するケースがあります。

私は製薬会社で研究職として働いています。製薬会社の研究職は、研究が好きな人には心の底からオススメできる仕事です。

一方で、やはり製薬会社の研究職は人気職種なので倍率もかなり高いです。

ただ、人気とはいえ、しっかりした対策を行えば、書類選考は突破できます。

実際、私も書類選考は8割以上通りました。最終的に第一志望の企業を含め、3社から内定をいただくことができました

今回は、まず書類選考を確実に突破するために必要なことを説明していきたいと思います。

本記事の内容

  • 製薬会社の研究職になるために必要な資格
  • 製薬会社の研究職に必要な学歴は修士課程以上
  • TOEICは700点ぐらいあると安心
  • 製薬会社の研究をイメージできるようにする
  • 製薬会社研究職の就活対策【失敗しない研究概要の書き方】

製薬会社の研究職になるために必要な資格

資格

製薬会社の研究職になるために必要な資格はありません。逆に言うと、この資格をもっていれば必ず製薬会社の研究職になれるというものはありません。

なので、就活のために特別何か資格を取ろうと思わなくて良いです。危険物取り扱い免許とかもってても意味ありません。

製薬会社の研究職に必要な学歴は修士課程以上

学歴は修士以上

製薬会社では、学部卒で研究員になれる人はいません。修士卒以上です。薬学部であれば、6年制学科卒です。学部卒や短大卒でなれるのは、『技能職』や『技術員』と呼ばれる職種で、研究補助業務になります。研究員は修士卒以上です。

また、『博士課程は即戦力採用』と言われることがあります。ですが、これは不正確です。

会社での研究はアカデミアの研究と全く異なります。
博士課程を修了したとしても、即戦力というわけではありません。

修士卒であっても博士卒であっても、少しずつ仕事を覚えていくことになります。たしかに、博士卒の方が学生時代にやっていた研究内容に近い傾向はあるかもしれません。ですが、入社してから全く新しい研究を任される人もいます。

会社での出世に関しても、修士卒と博士卒で差はありません。自分が修士であろうと博士であろうと、有利不利はありませんので、その辺は心配いらないです。

TOEICは700点ぐらいあると安心

TOEIC

製薬会社の研究職へ応募する際、TOEICのスコア提出を求められることがあると思います。まず大前提として、嘘をつかず、本当の点数を記載しましょう。最終面接前や入社後に提出を求められる会社もあります。

スコアは、650点〜700点ぐらいあると安心です。

ただ、この点数よりも低い人が周りにいますので、なんとも言えないです。重要なのは、TOEICのスコアで悪目立ちしないことです。あまりに低いとどうしても英語ができない印象にはなります。

採用側も、TOEICのスコアが絶対だとは思っていません。

注意

TOEICはある程度テクニックでも点数が伸びてしまいます。でも、TOEICの点数と英語力には、緩やかな相関関係はあると思います。たしかに、TOEIC満点でも英語ペラペラとは程遠いです。でも、400点の人が英語が得意だとは到底思えないですよね。むしろ英語苦手なんだなという印象を与えます。

製薬会社の研究職を目指す上で、TOEICのスコアはアピールする材料という位置づけではなく、悪目立ちしないように最低限はとっておくものだと認識してください。

逆に言えば、TOEICで730点以上の人はもうTOEICの勉強はやめて良いです。生きた英語の勉強に力を注ぎましょう。

もしTOEICのスコアが700点未満の人は、次の記事を参考にしてみてください。

>>2ヶ月でTOEIC 700点を達成する方法

製薬会社の研究をイメージできるようにする

研究内容をイメージ

アカデミアと企業の研究の大きな違いは『理学指向』か『工学指向』だと思います。もちろん、面白いサイエンスがあり、それを深堀りしていけば新薬開発に繋がるケースでは、基礎研究に近いこともやります。

ただ、製薬会社のゴールは『薬を創ること』です。つまり、ものづくりですね。最終的なゴールは『真理を追求すること』ではなく『薬を創ること』です。

もっと具体的に言うと、『論文を出すこと』ではなく『特許を取ること』が目的ですね。

実際には、製薬会社に入ってみないと、どんな研究が行われているかはわかりません。ですが、『薬を創ること』、つまり『患者さんのために研究する』というマインドをもっていないと、必ず就活の面接などでボロが出ます。

私も会社で面白い発見をしたときに、すぐに論文にしたいなと思うことがあります。でも、それは自己満足であって、優先すべきことは創薬です。

キレイごとではなく事実として、『患者さんのため』という思考は芯の通った判断基準になります

患者さんのために創薬研究をするということを理解するために、最低限製薬会社にどんな部署があるのかをイメージしておくと良いです。以下に列挙する部署は、会社によって名前は違えど、役割としては同じような部署があるはずです。

製薬会社研究所の部署

  • 探索研究:新しいターゲットの探索や薬理研究
  • 開発研究:より高次のステージの研究。動物を用いた薬効試験
  • 薬物動態研究:薬物の体内分布の測定。臨床動態シミュレーション
  • 安全性研究:毒性に関する研究
  • 製剤研究:薬剤の剤形やDDSの研究
  • 合成研究:低分子化合物の合成研究

その他にも色んな部署があります。

それぞれの部署が協力して一つの薬剤を仕上げていくのが製薬会社の研究です。

製薬会社研究職の就活対策【失敗しない研究概要の書き方】

研究概要の書き方

製薬会社の研究職の就活では、ほとんどの企業で研究概要の提出が求められます。したがって、就活対策としてしっかりと研究概要を準備しておくことが必要です。ここからは、失敗しない研究概要の書き方をお伝えします。

研究概要を提出するとなると、採用の合否に『研究内容』が関わっていると思いますよね。

でも、研究内容はそんなに気にしなくてOKです。

たしかに、学生時代にがんの研究や感染症の研究をしている人は、製薬会社ウケが良い研究概要を書きやすいかもしれません。ただ、採用側が見ているのは『研究内容』ではありません。

研究概要を通じて、その人が『どんなことを工夫したのか』を見ています

なので、アピールしたいが故に無闇に内容を詰め込むのは逆効果です。無闇に内容を詰め込むのは、自分が書きたいことを書いているだけです。こういう研究概要は読みにくくて読んでられません。大切なのは読み手が知りたい情報を書くことです。

読み手が知りたい情報は、皆さんが『どんな工夫をしながら研究してきたか』です。いっぱい書けば良いというわけではありません。

就活に向けてどういう研究概要を準備すれば良いか具体的な対策をお話しますね。

研究概要は3種類準備

応募する製薬会社によっては、研究概要の要項が異なります。例えば、A4一枚で提出してくださいという会社もあれば、A4二枚のところもあります。

就活までに研究概要は次に示す3パターンを準備しましょう。

研究概要

  • A4二枚の研究概要を準備する
  • A4一枚の研究概要を準備する
  • A4半分の研究概要を準備する

まず、A4二枚分の研究概要を準備しましょう。これが、一番詳しく書ける長さだと思ってください。

次にA4二枚の内容をより簡略化してA4一枚にします。このとき、必ず図を使ってください。目安としては、パッと見たときにページの1/3〜半分程度は図です。

ポイント

  • A4二枚の研究概要であれば、一枚分ぐらいは図。
  • A4一枚の研究概要であれば半分は図。
  • A4半分の研究概要のときは、図はいりません。

たしかに、なるべくアピールしたくて文字が多くなってしまう気持ちはわかります。
でも、できるだけ余計な情報は削ぎ落としてください。
後ほど、よりわかりやすい研究概要を作成するための手順をお示しします。

研究概要に記載すべき事柄

研究概要には以下のことを記載しましょう。

研究概要に記載すること

  • 緒言:簡単な研究背景。読み手にとって必要な事前知識
  • 目的:なぜその研究をするか。ゴールはなにか
  • 方法:研究を行う流れ
  • 結果:どんな結果が得られたか
  • 考察:得られた結果に対し、どう考えたか
  • 展望:将来的にどう展開したいか

方法は細かい手法ではなく、大まかな流れです。また、結果や考察、展望は一つにまとめて書いてもOKです。

よりわかりやすい研究概要にするためには

よりわかりやすい研究概要にするには、読者の視点に立つことが重要です。

つまり、採用側の視点に立つのです。就活生にとっては、応募する会社は数少ない企業のうちの一つです。

しかし、採用側は研究概要を数え切れないほど読みます。しかも、採用活動中も普段の業務もあるので、読むことに時間をかけていられません。

採用側は研究概要をざっとしか読みません
でも、ざっと読む中で目を引くものがあると、つい読み込んでしまいます。
そうなれば、書類選考は通ったも同然ですよね。

採用側が『おっ!』と思う研究概要は以下のようなものです。

ポイント

  • 一読で理解できる
  • ムダな情報がない
  • 図がキレイ

逆説的かもしれませんが、一読で理解できる文章は何度も読みたくなります。概して、一読で理解できる文書にはムダな情報がありません。

たしかに、いっぱい詰め込んでアピールしたくなる気持ちはわかります。でも、逆効果です。もうそういう文章は途中で読むのやめます。

一読で理解できない文章は、最後まで読んでもらえないのです。最後まで読まないので、当然面接には呼ばれません。

アピールは面接でいくらでもできます。まずは最後まで読んでもらうことです。
そして、文章を読み進める中で、自分の理解が正しいと確信をもたせてくれるキレイな図があると最高です。
強く印象に残ります。

では、一読で理解できる文章を書くための具体的なポイントをお示しします。

ポイント

  • 『が』をなるべく使わない
  • 友達に読んでもらう

『が』という言葉には、順接と逆説の意味があります。

たとえば、次のような文章です。

順接と逆説

  • 今日はいい天気ですが、みなさんはいかがお過ごしですか。
  • 今日はいい天気ですが、一日中家にいなければなりません。

上の文章は順接、下の文章は逆説ですね。同じ『が』なのに意味は正反対です。この『が』を多用した文章は極めて読みにくいです。ぱっと見たときにどっちの意味かが捉えにくいわけです。

もし『が』を使いたくなったら、文章を切りましょう。

文章を切る

  • 今日はいい天気です。みなさんはいかがお過ごしですか。
  • 今日はいい天気です。しかし一日中家にいなければなりません。

こんな感じです。

また、自分自身は自分の研究を知りすぎているので、『素人』の気持ちがわからなくなっています。そこで、最低一人、できれば二人以上に自分の研究概要を見てもらいましょう。研究概要を見てもらい、わかりにくい箇所を指摘してもらうことが大事です。

指摘してくれた友達に、絶対キレてはいけません。
その友達がわかりにくいと感じるところは、必ず採用側もわかりにくいと感じます。
友達に感謝を述べ、指摘してもらった箇所を徹底的にわかりやすく工夫しましょう。

まとめ

製薬会社の研究員になるために一番重要なのは『思いやり』です。

自分の論文数よりも、薬を創ることを目的にするのは患者さんへの『思いやり』。

いろんな部署で協力する以上、日々の業務で必要なのは周囲への『思いやり』。

読み手のことを考えて、とことんわかりやすく研究概要を仕上げるのも『思いやり』。

採用側は、そういう思いやりを敏感に察知します。本当にすぐわかります。なので、思いやりをもって準備すれば、書類選考は怖くないと自信をもってください。

エントリーシートの書き方等は以下の記事を参考にしてみてください。

>>製薬会社の就職活動対策【オススメの情報サイトも紹介】

今回は以上です。

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