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製薬会社研究員のキャリアパス【研究員は何にでもなれる】

製薬会社研究員のキャリアパス

製薬会社の研究員って一生研究しているの?研究員のキャリアパスが知りたい。

そんな疑問にお答えします。

本記事の信頼性

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製薬会社の研究員が入社後にどんなキャリアパスを描いていくのかって、ちょっとイメージしづらいですよね。

入社するときは研究員でも、その後色んなキャリアパスがあります。

今回は製薬会社の研究員のキャリアパスについて書いていきたいと思います。

本記事の内容

  • 製薬会社研究員のキャリアパス
  • 研究者としてのキャリアパス
  • 製薬会社の研究員の未来
  • これからの研究員

製薬会社研究員のキャリアパス

キャリアパス

製薬会社に入社する際、研究職と開発職で悩む人も多いです。

結論、研究職で入社した場合、希望が通れば数年後に開発職になることも可能です。

もっと言うと、研究職で入社した場合、希望が通ればほとんどどんな職種にもなれる可能性があります。

私の知り合いでも、研究職出身で、現在は開発職の方がいます。
研究職から人事になった人もいますし、MRや総務になった方もいます。

逆に、開発職やMR、総務から研究職にはなれません

この理由は、研究職は他の職種に比べ、『専門性』が重視されているためです。

研究員の場合、大きく分けて3通りのキャリアがあります。

キャリアパス

  • 研究の道を極める
  • 研究職から開発職へ
  • 研究職からMRへ

1つずつ見ていきましょう。

研究の道を極める

王道は研究の道を極めるキャリアパスです。

会社では半年から一年に一度、キャリアの希望調査があります。

その中で、異動希望を出さずに現職希望とすれば、何か特別な事情が無い限り、なるべく会社は本人の希望に沿うよう配慮します。

つまり、研究員の場合はずっと研究を続けていくことになります。

例外はあるものの、少なくとも5年以上は研究を続ける人が多いですね。
ほとんどの場合は10年以上は研究員を続けます。

10年と聞くと結構長い印象を受けますよね。

ただ、研究の成果が出るまでには時間がかかりますので、10年なんてあっという間です。

10年を過ぎると、早い人だとマネージャーになります。
大体40歳手前でなる人が多いです。
マネージャーになれる人にも限りがあるので、そこは実力主義です。

10年を過ぎると、研究所の中で別の部署へ異動する人も出てきます。

たとえば、基礎よりの研究をやっていた人が臨床よりの研究をする部署に異動する、みたいな感じです。

研究職から開発職へ

研究職から開発職へ異動する人もいます。私の同僚も開発職へ異動しました。

その方に話を伺ったところ、やはり最初はとても大変なようです。

どんな業界でも言えることですが、異動後は仕事に慣れるまでに覚えることがいっぱいあって大変ですよね。

研究職から開発職になって、すぐにバリバリ仕事をこなせる、とはなかなかなりません。

けれども、研究職出身の人は、開発職に異動してからも確実に力を発揮できます。

研究職出身者の強みは、自分が担当する治験薬を『研究視点』で考えられることです。
研究をしていると、科学的なデータから物事を分析する力が自然に身につきます。
これは開発職になっても大きな武器ですね。

研究所でおこなっていることは、簡単に言えば、『細胞や動物を使って、薬候補化合物の特性を見極めること』です。

臨床開発では薬候補化合物の安全性と有効性を『人』で試すわけですから、研究者時代に培った考察力やデータの解釈の仕方は役に立ちます。

こういった背景から、研究職から開発職に異動し、活躍されている方はたくさんいます。

研究職からMRへ

研究職からMRになる人もいます。

MRは医師に対して、自社製品の安全性や有効性に関する情報を提供する仕事です。

MRは文系出身者の方もいます。

MRの中には薬学部出身の方もいますが、多くの人は入社後に薬の勉強をします。

それに対し、研究職の人は薬の効果や安全性について、研究活動に基づいた深い理解があります

たとえば、車の運転の仕方を説明することを想像してみてください

車に乗ったことが無い人と車に乗ったことがある人、どちらの方がより具体的に説明できると思いますか?

やはり車に乗ったことがある人ですよね。

薬も同じです。

研究職出身の人は、実験の経験を通じて薬のメカニズムを理解しています。
これは単なる知識ではなく、体験を伴った知識です。
これは大きな強みです。

研究者としてのキャリアパス

研究者としてのキャリアパス

会社によっては、いち会社員としてだけではなく、いち研究者としての成長を支援してくれる制度もあります。

代表的なのは留学です。

会社が費用を負担して国内・国外の留学を支援してくれるケースがあります。

留学には国内留学と海外留学があります。

国内留学

国内の大学の研究室や研究機関に派遣してくれる制度です。

派遣となった場合、基本的には派遣先に通うことになります。

派遣期間中はほとんどアカデミックな生活ですね。

場合によっては学位を取ることもできます。

企業が研究員を国内留学させる目的は研究員の成長や共同研究です。

アカデミアや研究機関とタッグを組むことで、より魅力的な創薬を実現することが可能になります。

製薬会社の研究目的は『薬を創ること』です。

なので、どうしてもモノづくり志向になるため、基礎研究が弱くなります。

基礎研究についてはアカデミアや研究機関に強みがありますから、協力することで強いシナジーを生み出します。

アカデミアと製薬企業が組むことを『産学連携』といいます。
産学連携は、どの製薬会社でも精力的におこなわれています。

国内留学を通じて、会社の中だけでなく、会社の外にも目を向けることができます。

それにより、より広い視点で研究を行うことができます。研究者としての力がつくわけです。

製薬会社にとって、研究力は最も重要です。
その研究力を支えるために、研究員一人ひとりが成長できるキャリアプランを拡充させる会社が増えてきています。

海外留学

海外留学をさせてくれる会社もあります。

大手・準大手であれば、おそらくほとんどの会社で可能だと思います。

もちろん、全員がいけるわけではありません。
この人には研究員としてより成長してほしいと会社が思う人材に優先権があります。

なので、海外留学希望者は、会社に希望を出すだけでなく、会社が求める要項を満たさなければなりません。

当然最低限の英語力も必要です。

私もいずれは海外留学したいなと思っています。
もしあなたが将来留学したいと思っているなら、英語力は必須です。
英会話については、オススメの勉強法がありますので、以下の記事を参考にしてください。

>>ネイティブキャンプの体験談【デメリットも紹介】

製薬会社の研究員の未来

製薬会社の研究者の未来

最後にキャリアパスの延長線上にある、製薬会社の研究員の未来について、お話します

私は製薬会社の研究員の未来は明るいと思います。

最近よく、『10年後に無くなる仕事』みたいな話を聞きますよね。

人工知能(AI)の登場や機械化により、人々の仕事が奪われるという話です。

実はすでに、製薬会社の研究業務の一部は機械化されています。
研究所内には大型のロボットもあり、実験の一部は自動化されています。
また、AIによって新しい創薬の種を見つけるような取り組みも色々な会社で取り組みがスタートしています。

ただ、製薬会社の研究職は10年後も無くなることはありません。

それは、製薬会社の研究員の一番大事な仕事はAIや機械には代替できないからです。

AIがはじき出したデータをもとに課題設定を行い、その課題を解決する戦略を立てる。
これは研究者の仕事です。
つまり、研究者の一番大切な仕事は『課題の設定』と『課題解決策の提案』なんですね。

研究者の仕事は、AIや機械を道具として使うことです。

こういった思考型の仕事はAIと相性が良いです。

でも、だからといってこれまで通りの働き方ではダメです。

これからの研究員が気をつけなければならないこともあります。

これからの研究員は『自分にしかできないこと』をしよう

ひと昔前の研究員は、技術屋さんに近いところがありました。

たとえば、『特定の実験手法が扱えるからスゴい』みたいな感じです。

マウスの扱いのプロは、マウスを用いた試験をやっているだけでとりあえずは仕事がありました。

でも、この状況は今後10年で大きく変わります。

最近は働き方改革の影響もあり、医薬品開発業務受託機関 (Contract Research Organization)への業務委託が増えています。

つまり、ルーティン作業は外注するわけです。

したがって、実験量が多いことだけに強みがある人はこれからの時代は研究員としての市場価値が下がります

だからこそ、これからの研究員は自分にしかできない仕事をする必要があります。

自分にしかできない仕事は必ず何かしらの『新しさ』があります。
日々の仕事の中で、『この仕事は自分にしかできないか』や『この仕事に何か新しさはあるか』を自問自答するのが重要ですね。
逆に言うと、自分以外の人でもできるような仕事はどんどん外注した方が良いのです。

なので、今後製薬業界で研究職を目指すのであれば、どんどん新しいことに挑戦するマインドをもってください。

創薬研究は難しい領域ですが、それだけやりがいがあります。

そしてやりがいのある仕事だからこそ、ぜひ自分にしかできない研究を切り拓いていってください。

もし製薬会社の研究職に興味があれば、次の記事を参考にしてみてください。

>>製薬会社研究職の就活対策【失敗しない研究概要の書き方】

今回は以上です。

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